バイナリーオプションとオプションは名前が似ているので混ぜてしまう人もいます。しかし、これらは似て非なるものです。
一般に言うオプションとは、決められた期限内(Expiration date)に、決められた価格(Strike price)で、決められた金融商品(Underlying asset)を買う(Call)か売る(Put)「権利」です。1973年からシカゴの取引所で扱われている、まっとうな金融派生商品です。
この説明を掘り下げていきます。
オプションには有効期限があって、期限切れになると価値がなくなります。期限の種類には数か月後(Monthly Option)、数年後(LEAPS)、数週間後(Weekly Option)があります。
期限が長くなるほどオプションの価値が上がります。つまり、ほかに変化がなければ、買ったときから価値はどんどん下がっていくのです。
オプションを執行する時、その商品をあらかじめ決めた価格で買う(売る)ことができます。
たとえば、トヨタ自動車を6000円で売るオプションがあった場合、株価が6000以下の場合、執行すると差額の利益になります。逆に、6000以上の場合、執行しても損するだけなので、期限切れにします。
オプションは派生商品(デリバティブ)です。日本では日系225をベースにしたオプションが有名ですが、シカゴでは様々な金融商品のオプションがあります。
グーグルやアップルなどの株であったり、債権であったり、先物であったり、インデックスであったり、コモディティであったり、通貨であったりします。最近ではビットコインのオプションもできました。
金融市場に出回っているものなら理屈上では何でも可能ですね。
コール(Call)オプションを買った人は、ベースになる金融商品を買う権利を得ます。商品の価格が上がると利益が出ます。
プット(Put)オプションを買った人は、ベースになる金融商品を売る権利を得ます。商品の価格が下がると利益が出ます。
両方ともオプションを買う場合、義務は発生しません。
反対にオプションを売ることもできます。
コール(Call)オプションを売った人は、ベースになる金融商品を売る義務を負います。
プット(Put)オプションを売った人は、ベースになる金融商品を買う義務を負います。
ただし、オプションが執行されなかった場合、丸儲けです。
オプションの価格は5つの要素で決まります。
上記の期限、価格(Strike price)、金融商品の価格、金利、ボラティリティです。期限が近づくほど価格は下がります。価格(Strike price)は金融商品の価格との差額がオプション価格に上乗せされます。コールの場合Strike priceを上回る分、プットの場合Strike priceを下回る分です。金利はほとんど影響ないので無視してもいいです。ボラティリティとは金融商品の不安定さのことですが、不安定であるほどオプション価格が高くなります。
保険の値段設定と比べるとわかりやすいかもしれません。期間が長い保険の方が保険料は高いし、リスクが大きい方が保険料は高い。
オプション取引には4種類の入り方があり、価格の変異の予測が難しいです。さらにこれらを組み合わせて作戦を練ることが多い、とても複雑な金融派生商品です。本気で稼ごうと思ったら、かなり勉強する必要があります。
ただし、「バイナリーオプション」はまったく別物ですので、そこまで構える必要はありません。